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  • 執筆者の写真TERUSHI

【ドキュメンタリーにも効果的!】トラッキングショットの良さ

更新日:6月12日




こんにちは。SHOEN MEDIAの庄です。梅雨入りしてすっきりしない天気が続いていますね。


本日はそんな梅雨を吹き飛ばすべく(?)、自分がドキュメンタリー撮影時にほぼ毎回撮る「トラッキングショット(特に背後から)」をまとめました。


まずはこちらの動画をご覧ください:




映画などのノンフィクションでも見られるよく見られるこのトラッキングショット。 文字通り被写体を追従(Tracking)するショットです。



ドキュメンタリーでも横や背後からついていって、、というのは見なくもないですが、今回はこれを丁寧に意識して撮影することで、いかに【編集に役立ち】そして【映像のクオリティを上げられる】のかを解説したいと思います。


それではいってみましょう。



編集の自由度が増す


まずは圧倒的にこれです。


良いドキュメンタリーとは、ちゃんとシーンの転換があり話が前に進んで行くもの。


そのためには出来るだけ多くのシーンが必要となってきて、インタビューの話だけで構成するより、これらシーンの転換があった方が良いと考えます。


…そしてこのような編集を経験されたことがある方はお分かり頂けるでしょうが、、タイムライン上は時として戦場と化すもの。


尺との戦い、情報の取捨選択、面白くするための演出、なんなら音楽のタイミングでも上手くいかないことが多い…。そんなことを考えながら形に仕上げていくのです。


しかし安心してください。そんな中、このトラッキングショットがあるだけで色々と助けてくれるでしょう。


具体的にはシーンとシーンの繋ぎ目(要はセットアップのこと)にも使えたり、素材と素材のクッションに使えたり、必須の素材で無い限り修正が入った時に優先的にカット出来たり…


そう、編集時にかなりこちらの都合よく利用できるもの。こういう繋ぎ目やクッション(緩衝材)的な働きをするショットは、時にタイムライン上(戦場)の混乱を解決してくれるものとなるでしょう。



順序立てた編集が可能になる


また、きちんと順序立てた展開で編集するにも、このトラッキングショットのような「どこかへ向かう」映像はあって損はないでしょう。


説明がなくても「どこかへ向かっている」ということは、ビジュアルから一目瞭然。当然シーンのセットアップにも役立ちます。


◯◯という話を聞いた→▲▲へ行く(トラッキング)→■■ということが起こる


というようなイメージでしょうか。順序立てた編集が想像できますね(で、できますよね…?)


ただMicro Docsのように尺が短い場合は、ただダラダラと歩く映像のみを使うことはそこまで効果的ではないのでは無いかと考えます。


尺が短い場合はBrollの使い方をするか、後ろのV.Oなどを載せて編集するなど、最終的な尺に合わせて合理的かつ効果的な使い方を意識することが大事だと思います。




印象的なエスタブリッシングショットとして利用できる



エスタブリッシングショットとは、街全体の引きの画、部屋の様子、家の外観、時刻を表す時計、夕焼けetc...などそのシーンの場所や時間などを表すショットのことを言います。


実はこのエスタブリッシングショットがめっっちゃ大事です!


Fixの画でドーンと入るよりかは、歩いている画から始まったりすると入り方が印象的になりますよね。先の動画でいう1:34あたりのような足元の画から入ろうものなら、それだけでシーンの入り方が印象的になります。




※足元から入って「ん?」とさせながら…




         ↓




※徐々に誰かが分かるようにする







微々たることですが、案外こういうことが大事だったりすると思います。


ちなみにこれは映像自体の始まり(オープニング)にも言えることです。


今回の動画でもオープニングの映像がかなり印象的に出来たと思うのですが、これがFixの画から入ったとしていたら、、、いかがですか?


トラッキングショットはエスタブリッシングショットとしても効果的に使用できるため、先に述べた「ただついていく映像」として以外にも利用できるので、こういう映像も現場では積極的に狙いにいくのも良いと思います。 駆け出しの映像製作者の方にも挑戦してもらいたいショットの一つです。



よりシネマチックになる


最後に、これはスタビライザーやジンバルを用いたケースが主にはなるのですが、圧倒的にシネマチックになります。上記の動画も多くがジンバルを用いたものになりますが、手持ちでトラッキングしたものとその差は歴然です。


自分の好きな映画もトラッキングの長回しが多いので少し贔屓目かもしれませんが、、笑


主にこういうのです↓



ドキュメンタリーというと手持ちもしくは三脚で固めて、、という撮り方が主流ですが、ちょっとこういうスパイス的なものがあるだけで大きく印象が変わるでしょう。臨場感が変わってくるので余裕のある方はぜひスタビライザーなどでかっちょいいショットを狙っていくのもおすすめです。


しかし!ワンオペ製作者の方はご存知の通り、ジンバルやスタビライザーを持ち出しての撮影は時にしんどい時も…。かっこいい映像が撮れるのに越したことは無いと思いますが、その前に最低限必要な映像を抑えることの方が大事です。


準備に時間がかかって撮れなかった、、、だと本末転倒なので、撮る方法の優先順位をしっかり考えましょう!




人は背中でも語る



最後に、今までに多くの方の人生に触れて来ました。そこで思ったのは人間、歩き方や後ろ姿にもその人が出ていると思います。皆さん色んなものを背負って日々を生きていらっしゃいます。


やはり後ろ姿、歩き方、足取りは案外その人の心情や普段の考えを写してることも多いので、後ろ姿でしか見られないものもあるはずです。


(因みに個人的に一番後ろ姿と歩き方が印象的だったのは「レンタルなんもしない人」さんです)



直接カメラを向けてお話が出来なさそうなら、歩き方や後ろ姿も見てみましょう。そこから何か見えるものがあるかもしれません。


それを遠回しに伝える意味でも、後ろから追いかけてその姿をぜひ撮ってみてはいかがでしょう。



まとめ:編集面でも演出面でもトラッキングショットは あって損は無い


いかがでしたか?


かなり主観で色々と説明しましたが、編集や演出など複数の面で、トラッキングショットは良い役割を果たしてくれる便利ショットです。


数多あるwebで公開されているドキュメンタリーでも結構見られるので、一度意識して見てみてください。そこから逆算してどう編集されているか、も勉強になると思います!


自分も今回このブログと映像を作りにあたって色々と考えさせられ、改めてその重要性を感じました。ぜひぜひ積極的に狙いにいきましょう。


今回は長いブログとなりましたが、読んで頂きましてありがとうございました。


また次のブログかお仕事の現場でお会いしましょう!

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